鼻中隔湾曲症とは
鼻中隔湾曲症とは、鼻の中央にある 鼻中隔(びちゅうかく) が左右どちらかに湾曲してしまう状態を指します。鼻中隔は軟骨と骨で構成されており、通常は左右対称に鼻腔を分けていますが、成長過程や外傷などの影響で片側に偏ることがあります。
鼻中隔湾曲症が進行すると、 鼻づまりや口呼吸、いびき、嗅覚障害、慢性副鼻腔炎 などを引き起こし、日常生活に支障をきたすことがあります。
鼻中隔湾曲症の原因
成長過程による自然な変化
鼻中隔は思春期までの成長に伴い発達していきます。しかし、 軟骨の成長スピードが骨よりも速いため、成長のバランスをとる過程で自然と湾曲してしまう ことがあります。これが鼻中隔湾曲症の最も一般的な原因です。
外傷(ケガ・骨折)
- スポーツや転倒による顔面の打撲
- 鼻の骨折による変形
- 幼少期の鼻への衝撃(気づかぬうちに湾曲が進行することも)
外傷による鼻中隔湾曲は、成長後も元に戻らないため、 長年にわたって鼻づまりなどの症状が続く ことがあります。
鼻中隔湾曲症の症状
- 慢性的な鼻づまり(特に片側が詰まりやすい)
- 口呼吸になりやすい(口の乾燥や喉の違和感を伴う)
- いびきがひどくなる(睡眠の質が低下することも)
- 睡眠不足による日中の倦怠感・集中力の低下
- 頭痛や顔面痛(鼻腔内の圧迫による)
- 嗅覚障害(においが分かりにくくなる)
- 鼻血(狭まった鼻腔の粘膜が傷つきやすくなる)
- 副鼻腔炎を併発しやすい(慢性的な炎症による影響)
鼻中隔湾曲症による鼻づまりは 風邪やアレルギー性鼻炎のように一時的なものではなく、常に続く のが特徴です。
鼻中隔湾曲症の治療方法
1. 薬物療法(軽度の場合)
鼻中隔湾曲症そのものは 物理的な構造異常であるため、薬で完全に治すことはできません。しかし、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎を併発している場合は、薬物療法によって症状の軽減が可能です。
- 抗アレルギー薬・抗ヒスタミン薬(アレルギー症状を抑える)
- ステロイド点鼻薬(鼻粘膜の腫れを抑える)
- 血管収縮剤入り点鼻薬(鼻づまりを一時的に解消するが、長期使用は不可)
しかし、湾曲が重度で症状が強い場合は、 手術が唯一の根本的な治療法 となります。
2. 手術(重度の鼻づまり・嗅覚障害がある場合)
鼻中隔湾曲症矯正手術(鼻中隔矯正術)
- 湾曲した鼻中隔の骨を切除し、鼻の通りを改善する手術
- 内視鏡を用いた低侵襲手術が一般的
粘膜下下鼻甲介骨(ねんまくかかびこうかいこつ)切除術
- アレルギー性鼻炎などを併発している場合に実施
- 下鼻甲介(鼻の内部の突起)が肥大して鼻づまりを悪化させている場合 に、骨を切除
手術後は、 しばらく通院しながら経過を観察する必要があります。
まとめ
鼻中隔湾曲症は、鼻の中央にある鼻中隔が左右どちらかに湾曲し、鼻づまりや口呼吸、いびき、嗅覚障害などを引き起こす疾患です。原因としては、成長過程での自然な変化や外傷による影響が挙げられます。
治療法には、症状を和らげる薬物療法と、根本的に改善する鼻中隔矯正手術があります。軽度の場合は薬で対処可能ですが、重度の鼻づまりや嗅覚障害がある場合は手術が推奨されます。適切な診断と治療を受けることで、快適な呼吸と生活の質の向上が期待できます。
FAQ
よくあるご質問
- Q
- どのような検査や診断を行っていますか?
- A
- 当院では、耳鼻咽喉科・内科・皮膚科領域の検査や診断方法を提供しています。
- Q
- 花粉症で毎年悩まされています。どうしたら症状が軽減されますか?
- A
- 症状が出てから治療を開始するよりも、花粉が飛ぶ前から薬を予防的に内服すると効果がいいとされ奨励されています。また、通年での治療になりますが、「舌下免疫療法」で症状の改善が期待できます。
- Q
- 自分(親)が受診したいのですが、その間子供の面倒を見てもらえますか?
- A
- 短時間であればスタッフが見ますので遠慮せずご相談ください。ただし処置や検査などで時間がかかると予想される場合や、お子さんが騒いだりしてスタッフが面倒をみれない場合は事故防止のため、他の病院で診察をお願いしたり、もしくはお子さんを他の方に預かっていただき、再度改めてご本人だけで来院をお願いすることもありますのでご了承ください。
- Q
- 予約は必要ですか?
- A
- お電話または予約システムよりご予約下さい。