血管腫とは?
血管腫の概要
血管腫(けっかんしゅ)は、血管が異常に増殖することで生じる良性の腫瘍です。多くは生まれつき存在するか、幼少期に発症し、自然に消退するものもありますが、一部は大人になっても残ることがあります。
血管腫の主な症状
- 皮膚や粘膜に赤や紫色の隆起が見られる
- 大きさや形状が個人差があり、成長することもある
- 痛みやかゆみは通常ないが、圧迫すると痛みを感じることも
血管腫の種類と特徴
1. 乳児血管腫(いちご状血管腫)
- 新生児や乳児に発生し、赤く盛り上がった腫瘍
- 生後数ヶ月で急速に成長し、数年で自然に縮小することが多い
2. 毛細血管奇形(単純性血管腫)
- 皮膚の浅い部分にできる赤や紫色のシミ
- 成長とともに色が濃くなることがあるが、自然に消えにくい
3. 静脈奇形(青あざのような血管腫)
- 皮膚の奥にでき、青紫色をしている
- 圧迫すると柔らかく、へこむ特徴がある
4. 動静脈奇形(AVM)
- 血管の異常な接続による疾患で、血流が速い
- 皮膚の赤みや脈動性の腫瘤が見られることがある
5. 海綿状血管腫
- 皮膚や筋肉、内臓にできる血管の異常増殖
- 皮膚に柔らかい隆起ができるが、圧迫でしぼむことがある
血管腫の原因とリスク要因
原因
- 遺伝的要因(一部の血管腫は家族性に発生)
- 胎児期の血管の異常発達(乳児血管腫は胎児期に異常が起こることが多い)
- ホルモンの影響(特に乳児血管腫は女性に多い)
リスク要因
- 早産や低出生体重児での発症リスクが高い
- 女性に多い(特に乳児血管腫)
- 一部の血管腫は成長とともに目立つようになる
血管腫の治療方法
1. 経過観察
- 乳児血管腫は自然に縮小することが多く、特に治療を必要としない場合もある
2. 薬物療法
- β遮断薬(プロプラノロール):血管腫の縮小を促す
- ステロイド外用薬・内服薬:炎症を抑え、血管腫の成長を抑制
3. レーザー治療
- 毛細血管奇形や一部の静脈奇形に有効
- 赤みを軽減し、見た目の改善を図る
4. 手術療法
- 大きな血管腫や症状の強いものは外科手術で摘出
- 動静脈奇形は血管塞栓術と組み合わせて治療することもある
5. 硬化療法
- 静脈奇形に対して硬化剤を注入し、血管の縮小を促す
血管腫の予防策
- 遺伝的な要因があるため完全な予防は難しい
- 紫外線対策を行い、皮膚のダメージを防ぐ
- 成長とともに変化が見られる場合は定期的に皮膚科を受診
まとめ
血管腫は、血管の異常な増殖による良性の腫瘍で、多くは幼少期に発症し、自然に消退するものもありますが、一部は成長とともに残ることがあります。主な種類には乳児血管腫、毛細血管奇形、静脈奇形、動静脈奇形、海綿状血管腫などがあり、症状や治療法はそれぞれ異なります。
治療には、経過観察・薬物療法・レーザー治療・手術・硬化療法などがあり、血管腫の種類や大きさ、症状の程度に応じて選択されます。予防策は限られますが、紫外線対策や定期的な皮膚科受診が推奨されます。症状が気になる場合は、早めの専門医の診察を受けることが大切です。
FAQ
よくあるご質問
- Q
- どのような検査や診断を行っていますか?
- A
- 当院では、耳鼻咽喉科・内科・皮膚科領域の検査や診断方法を提供しています。
- Q
- 花粉症で毎年悩まされています。どうしたら症状が軽減されますか?
- A
- 症状が出てから治療を開始するよりも、花粉が飛ぶ前から薬を予防的に内服すると効果がいいとされ奨励されています。また、通年での治療になりますが、「舌下免疫療法」で症状の改善が期待できます。
- Q
- 自分(親)が受診したいのですが、その間子供の面倒を見てもらえますか?
- A
- 短時間であればスタッフが見ますので遠慮せずご相談ください。ただし処置や検査などで時間がかかると予想される場合や、お子さんが騒いだりしてスタッフが面倒をみれない場合は事故防止のため、他の病院で診察をお願いしたり、もしくはお子さんを他の方に預かっていただき、再度改めてご本人だけで来院をお願いすることもありますのでご了承ください。
- Q
- 予約は必要ですか?
- A
- お電話または予約システムよりご予約下さい。