好酸球性副鼻腔炎とは
好酸球性副鼻腔炎は 慢性副鼻腔炎の一種 であり、特に 好酸球と呼ばれる白血球が関与する炎症性疾患 です。通常の副鼻腔炎と異なり、細菌やウイルス感染が主な原因ではなく、 アレルギーや免疫の異常 が関係していると考えられています。
この疾患は 慢性的な鼻づまり、嗅覚障害、鼻茸(ポリープ)の形成 が特徴であり、 従来の抗生物質治療では改善しにくい 傾向があります。特に 喘息やアレルギー性鼻炎を併発するケースが多い ため、呼吸器疾患との関連性も重要視されています。
好酸球性副鼻腔炎の原因
好酸球性副鼻腔炎の 正確な原因は完全には解明されていません が、 免疫系の異常 が大きく関与していると考えられています。以下の要因が発症のリスクを高める可能性があります。
1. 免疫系の過剰反応
- 体内で 過剰に産生された好酸球が副鼻腔内で炎症を引き起こす
- アレルギー反応の一種として発症するケースも
2. アレルギーや喘息との関連
- 喘息を持つ人の約半数が好酸球性副鼻腔炎を併発
- アトピー体質の人にも多く見られる
3. 遺伝的要因
- 家族にアレルギー疾患や喘息を持つ人がいる場合、発症リスクが高まる可能性
4. 環境因子
- 空気中のアレルゲン(花粉、カビ、ダニなど)への過剰な反応
- 大気汚染や喫煙の影響も考えられる
好酸球性副鼻腔炎の症状
1. 慢性的な鼻づまり
- 一般的な副鼻腔炎よりも 頑固な鼻づまり が続く
- 鼻呼吸が困難になり 口呼吸になりがち
2. 嗅覚障害
- 匂いがわからなくなる(嗅覚低下・嗅覚喪失)
- 味覚にも影響を与えることがある
3. 鼻茸(ポリープ)の形成
- 鼻腔内に 柔らかい腫瘤(鼻茸) ができる
- ポリープが大きくなると 鼻閉感がさらに悪化
4. 繰り返す副鼻腔炎の症状
- 膿のような鼻水、顔の圧迫感や痛み が発生することも
- 風邪を引いたときに症状が悪化しやすい
5. 喘息との関連症状
- 好酸球性副鼻腔炎を持つ人の約50%が 喘息を併発
- せきや息苦しさ、ゼーゼーとした呼吸 が出やすい
好酸球性副鼻腔炎の治療方法
好酸球性副鼻腔炎は 従来の抗生物質治療では改善が難しい ため、特別な治療が必要になります。
1. 薬物療法
ステロイド治療(第一選択)
- 炎症を抑えるため、 経口ステロイド(プレドニゾロン)や点鼻ステロイド(フルチカゾン、モメタゾン) を使用
- 長期使用は副作用のリスク があるため、医師の指導のもとで行う
生物学的製剤(デュピルマブなど)
- デュピルマブ(抗IL-4/IL-13抗体薬) が好酸球性副鼻腔炎の治療に承認
- 特に 喘息や重度の鼻茸を併発している場合に有効
2. 手術療法(内視鏡下副鼻腔手術:ESS)
- 鼻茸や炎症組織を取り除くために 内視鏡下副鼻腔手術(ESS) が行われる
- 手術後も再発を防ぐためにステロイド治療が必要
3. 生活習慣の改善
アレルゲンの回避
- ハウスダスト・ダニ・カビを避ける
- 室内の換気を良くし、湿度管理を行う
禁煙・大気汚染対策
- 喫煙は 症状を悪化させるため、禁煙が推奨される
- マスクの着用で外部環境からの刺激を減らす
まとめ
好酸球性副鼻腔炎は、免疫系の異常が関与する慢性副鼻腔炎の一種であり、従来の抗生物質治療では改善が難しい疾患です。特に喘息やアレルギー性鼻炎と関連が深く、慢性的な鼻づまりや嗅覚障害、鼻茸(ポリープ)の形成が主な症状です。
治療にはステロイド療法や生物学的製剤の使用、必要に応じた手術が有効であり、生活習慣の改善も重要な予防策となります。適切な治療と管理を行い、症状をコントロールすることが大切です。
FAQ
よくあるご質問
- Q
- どのような検査や診断を行っていますか?
- A
- 当院では、耳鼻咽喉科・内科・皮膚科領域の検査や診断方法を提供しています。
- Q
- 花粉症で毎年悩まされています。どうしたら症状が軽減されますか?
- A
- 症状が出てから治療を開始するよりも、花粉が飛ぶ前から薬を予防的に内服すると効果がいいとされ奨励されています。また、通年での治療になりますが、「舌下免疫療法」で症状の改善が期待できます。
- Q
- 自分(親)が受診したいのですが、その間子供の面倒を見てもらえますか?
- A
- 短時間であればスタッフが見ますので遠慮せずご相談ください。ただし処置や検査などで時間がかかると予想される場合や、お子さんが騒いだりしてスタッフが面倒をみれない場合は事故防止のため、他の病院で診察をお願いしたり、もしくはお子さんを他の方に預かっていただき、再度改めてご本人だけで来院をお願いすることもありますのでご了承ください。
- Q
- 予約は必要ですか?
- A
- お電話または予約システムよりご予約下さい。