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ふくろうの森クリニック
院長 山田正人
2025.01.30

耳の痛みや耳だれ、発熱など、耳の鼓膜の内側にある“中耳(ちゅうじ)”に、細菌やウイルスなどの感染がおこって発症する中耳炎。
そのほかにもアデノイド(扁桃腺肥大症)や鼻をすする、耳の形の変形などさまざまな原因で発症し、小さな子どもから年配の方まで誰でもかかる可能性がある病気です。
本記事では中耳炎を早く治したい方必見、最新の中耳炎の治し方をご紹介します。中耳炎かもしれないと気になっている方、中耳炎と診断され治療を開始している方、なかなか治らない中耳炎に困っている方は、ぜひ本記事をお読みください。
目次
中耳炎を早く治したい!最新の中耳炎の治し方

耳の奥にある中耳に炎症がおこる“中耳炎”。一般的には耳の痛みや違和感、耳だれ、発熱などの症状を自覚しますが、中には耳が聞こえにくくなって初めて気付くケースもあり症状は人それぞれです。
そのため、中耳炎の治療も症状や重症度によって異なっていて、特に治療をせず様子をみる軽症のものから入院をして耳や鼓膜の形を整える手術をしなければならないものまで多岐にわたります。
ここからは、次の代表的な6つの中耳炎の治療方法について解説します。
- 自宅で様子を見る
- 薬を飲む
- 点耳薬を投与する
- 通気する
- 鼓膜切開をする
- チュービングをする
- 手術をする
自宅で様子を見る

痛みや発熱以外の症状がなく、耳の赤みや鼓膜の腫れがごくごく軽い方や耳だれがない方は、特に治療をおこなわず経過をみることがあります。しかし時間の経過とともに症状が悪化するケースもありますので、「完全に治りましたよ!」と医師からいわれるまでは継続的に診察を受け、慎重に経過をみていく必要があります。
薬を飲む

細菌感染が原因で中耳炎になっている場合は抗生物質を服用します。中耳炎の程度にもよりますが、おおむね5日間抗生物質を服用します。
中耳炎は再発しやすい病気です。痛みや耳だれ・発熱などの自覚症状が改善したからと自己判断で抗生物質を飲むのをやめてしまうと、再発したり悪化したりしてしまう可能性があります。医師の指示に従って、正しく服用しましょう。
点耳薬を投与する

点耳薬(てんじやく)とは、耳に投与(滴下)する薬のことです。中耳炎のときには抗生物質の展示(→点耳)薬を投与することが一般的です。目薬のような小さな容器に入っていて、点耳薬を耳の穴に数的たらすと炎症をおこしている中耳に直接抗生物質が投与されるため、早期の症状改善が期待できます。
通気する

通気(つうき)とは耳管(じかん)という耳鼻科専用の医療器具を使って耳の中に空気を送る治療方法です。通気をおこなうと中耳の換気が改善され、浸出液の排出を促す効果が期待できます。1回だけよりも、週1~2回継続しておこなうことで症状の改善が期待できます。
鼓膜切開をする

鼓膜切開(こまくせっかい)とは鼓膜に小さな穴をあけて、中耳にたまった浸出液の排出を助ける治療方法です。
耳の痛みや聞こえにくさ、発熱などの症状が比較的早く良くなる半面、鼓膜切開の不快感や恐怖心、鼓膜切開後も耳だれが続く、鼓膜に開けた穴がなかなか塞がらないなどのデメリットもあります。
チュービングをする

チュービング(チューブ留置術)は、鼓膜に開けた穴にチューブを挿入し浸出液を出しやすくする治療方法です。鼓膜切開を繰り返しても滲出性中耳炎が改善せず、反復性中耳炎や難治性中耳炎、癒着性中耳炎になってしまっている患者さんにおこないます。
一般的に子どもの場合は外来もしくは入院して、大人の場合は外来で治療します。
手術をうける

真珠腫性中耳炎というタイプの中耳炎の方は、空気の通りを改善し鼓膜が中耳に引き込まれないように手術をおこなうことがあります。手術では真珠腫を摘出し、鼓膜の破れや変形を修復し内耳の形を整えます。別名“鼓室形成術(こしつけいせいじゅつ)”という手術方法です。
この手術は入院し全身麻酔でおこない、複数回おこなう場合もあります。当院では、近隣の入院施設が整った専門の医療機関を紹介しております。
中耳炎の治療をしないとどうなる?心配な合併症

中耳炎の治療をしないと炎症が慢性化し、完全によくなるまでに時間がかかってしまいます。
また、炎症が慢性化するとさまざまな合併症になる可能性が高くなります。炎症が中耳の奥にある内耳に波及すると、感音性難聴を発症するかもしれません。耳の周囲にある筋肉や神経に炎症が波及すると、乳様突起炎や錐体尖炎を発症してしまうかもしれません。さらに、ごくまれですが耳よりも奥にある頭の中に炎症が波及してしまうと、髄膜炎や脳膿瘍、硬膜下膿瘍などの病気を発症する危険性があるのです。
また耳の聞こえが悪いままだと、小さなお子さんの言葉の成長・発達に影響を与えます。大人の方でも、普段よりも聞こえが悪くなるので日常の会話や生活のさまざまな場面で支障が生じます。
いずれにせよ、中耳炎の治療をしないことのメリットはありませんので、耳の痛みや耳だれ、発熱などの症状を自覚したらお近くの耳鼻科・耳鼻咽喉科を受診し適切な治療を受けましょう。
中耳炎は早期診断・治療が大切です。困ったらふくろうの森耳鼻咽喉科へ!

中耳炎は早期の診断・治療と、完治まで根気よく治療を続けなければならない病気です。適切な治療をおこなわないと症状が悪化し治るまでに数か月〜年単位の治療が必要になったり、耳の聞こえが悪くなって成長・発達に影響を与えたりする可能性があります。
東京都小平市の花小金井駅徒歩5分のふくろうの森耳鼻咽喉科では、小さなお子さんからご年配の方まで地域の皆さまの「みみ・はな・のど」の治療をおこなっています。
「中耳炎のサインに気づいた」
「なかなか治らない中耳炎に困っている」
「平日は忙しいから、日曜日も見てくれる耳鼻科を受診したい」
このような方は、ぜひ一度ふくろうの森耳鼻咽喉科にご相談ください。

参考資料
小児急性中耳炎診療ガイドライン2018
中耳炎 (otitis media) 慶応大学病院 医療・健康情報サイト
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