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ふくろうの森クリニック
院長 山田正人

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2025.03.04

高血圧とは慢性的に血圧の高い状態が続く症状のことです。初期にはほとんど自覚症状がありませんが、放置すると脳や心臓など全身にさまざまな合併症を引き起こします。

高血圧に気付いた時点で、早めに治療を開始することが重要です。
高血圧についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

この記事では、高血圧を放置した時のリスクについて解説します。

高血圧のリスクについて知りたい方は、この記事をぜひ最後までお読みください。

高血圧を放置すると、全身に影響があらわれる

高血圧を放置すると、全身に影響があらわれる

血管は全身に張り巡らされています。高血圧になると血管に対して強い圧力がかかるため、体中の血管や心臓に負担がかかり、全身にさまざまな影響があらわれます。

高血圧による影響の例が動脈硬化、心室肥大です。血管が硬くなると動脈硬化を起こし、血管が脆くなると血管疾患の原因になります。また、高血圧により心臓の一部(左室)が肥大することもあります。

特に脳や心臓の合併症は命に関わる症状も多いため、高血圧が悪化する前に治療を始めましょう。

高血圧の放置により発症する病気

高血圧を放置していると、さまざまな合併症を発症するリスクがあります。初期症状がなく「なんともないから」と高血圧を放置していると、合併症が進行して治療が難しくなる場合もあります。

合併症として代表的な例をまとめました。

主な臓器障害代表的な病気
脳血管障害脳出血脳梗塞一過性脳虚血発作(TIA)
心疾患狭心症心筋梗塞高血圧性心疾患心不全心房細動
腎疾患腎硬化症蛋白尿、腎機能低下腎血管性高血圧
血管疾患閉塞性動脈硬化症(ASD)大動脈瘤大動脈解離
眼疾患高血圧性網膜症

脳血管障害

高血圧の合併症で起こる脳血管障害として、次の症状が挙げられます。

  • 脳出血
  • 脳梗塞
  • 一過性脳虚血発作(TIA)

高血圧により脳の血管が破れると脳出血、脳の血管が詰まると脳梗塞を発症します。また血管が一時的に詰まり、血液が十分に行き届かなくなる状態が一過性脳虚血発作(TIA)です。

脳の合併症は命に関わる障害も多く、治療には手術が必要になるケースもあります。また、もし回復しても後遺症が出るリスクがあります。

心疾患

心臓は血液を送り出すポンプとして働きます。高血圧になると心臓や心臓の血管にも負担がかかるため、次のような心疾患が起こる可能性があります。

  • 狭心症
  • 心筋梗塞
  • 高血圧性心疾患
  • 心不全
  • 心房細動

心不全とは、心臓がポンプとして十分に機能しなくなることです。また心臓の血管で動脈硬化が起こると、狭心症や心筋梗塞を誘発する原因になります。

治療には薬物治療のほか、血管の通り道を確保する手術を行うケースもあります。

腎疾患

腎臓は血液をろ過して老廃物を排出する働きを持ちます。高血圧が進行すると腎臓への血流が乏しくなり、次のような症状を起こすことがあります。

  • 腎硬化症
  • 蛋白尿、腎機能低下
  • 腎血管性高血圧

腎疾患が悪化すると腎臓が十分に機能しなくなり、重篤になると自力で老廃物を排出できなくなる(慢性腎不全)ため人工透析が必要になります。

血管疾患

高血圧になると、全身の血管に対して負担がかかります。特に心臓から血管に血液を送り出す動脈で異常が起こりやすく、次の合併症を起こすリスクがあります。

  • 閉塞性動脈硬化症(ASD)
  • 大動脈瘤
  • 大動脈解離

動脈硬化とは動脈が弾性を失って硬くなることです。動脈硬化により、全身に十分な酸素や栄養を送り出せなくなることを閉塞性動脈硬化症(ASD)と言います(※1)。

(※1 参考)閉塞性動脈硬化症|病気について 国立循環器病研究センター

高血圧を悪化させないためには?

高血圧は気付いた時点で、悪化する前に治療を始める必要があります。

高血圧を悪化させないために気を付けたいポイントは次の3つです。

  • 高血圧が指摘された時点で医療機関を受診する
  • 食生活、運動習慣に気を付ける
  • 薬が処方された場合は、服用を欠かさず続ける

高血圧が指摘された時点で医療機関を受診する

健康診断で高血圧を指摘されたら、放置せずにまずは医療機関を受診しましょう。

軽度であれば生活習慣を改善した上で経過を観察し、必要であれば薬物治療も合わせて行います。同じ高血圧でも、症状の程度や体質によって最適な治療は一人ひとり異なります。

自覚症状がなくても、早めに治療を開始することが大切です。

高血圧の治療はお近くの内科や循環器科で対応しています。測定した血圧や問診の結果から、医師が患者さんに最適な治療を提案します。

当院でも高血圧の治療を承っていますので、お気軽にご相談ください。

食生活、運動習慣に気を付ける

高血圧の治療は、第一に生活習慣を改善する必要があります。高血圧と診断されたら、まずは食生活や運動習慣に気を付けましょう。

食生活、運動習慣のポイントをまとめました(※1)。

食生活で心がけるポイント塩分を1日6g未満に抑える野菜、果物を積極的に摂る飽和脂肪酸、コレステロールを控える不飽和脂肪酸、低脂肪乳製品を摂る
運動習慣で心がけるポイント軽強度の有酸素運動を毎日30分、または週180分行う

薬を服用する前だけでなく、薬を服用していても食生活や運動習慣の改善は重要です。

(※1 参考)高血圧治療ガイドライン 2019|日本高血圧学会

薬が処方された場合は、服用を欠かさず続ける

医療機関を受診すると、必要に応じて内服薬が処方されます。薬が処方された場合は、服用を毎日欠かさず続けましょう。

内服薬は血圧を下げる働きがありますが、服用を始めてから効果が出るまでには時間がかかります。短期間で効果を実感できなくても、根気よく服用を続けましょう。

多くの血圧薬は、1日1回の服用で効果を発揮します。もし頻繁に飲み忘れてしまう場合は、服薬カレンダーやアプリのリマインダーを活用しましょう。

生活リズムと服用するタイミングが合わない場合は、主治医と相談した上で服用するタイミングを調整するのも手です。

高血圧と診断されたら、まずは放置せずに受診を

早期に治療を開始して血圧を適切にコントロールできれば、合併症を防げます。健康診断で高血圧を指摘されたら、今の時点で自覚症状がなくても放置せずに医療機関を受診しましょう。

ふくろうの森クリニックでは耳鼻咽喉科・内科・皮膚科の診療を受け付けています。高血圧や糖尿病など、生活習慣病の治療にも対応しております。

当クリニックは花小金井駅より徒歩5分の場所にあり、ネット予約も可能です。

「高血圧と診断されたけど、治療せず放置している…」

「健康診断で血圧が高かった」

このような方はぜひ、一度当院へご相談ください。

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