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ふくろうの森クリニック
院長 山田正人

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2025.04.28

頭皮アトピーとはアトピー性皮膚炎による症状の1つで、頭皮のかゆみ、フケが生じる疾患のことです。

原因や治し方は一般的なアトピーと同じですが、頭皮は外用薬、保湿剤を塗りにくいためケアに工夫が必要になります。

また、同じ頭皮の症状でも、脂漏性皮膚炎などアトピー以外が原因となっている場合があります。適切な診断と治療を受けるために、頭皮アトピーが疑われる場合はまず医療機関を受診すると安心です。

この記事では頭皮アトピーの症状や原因、治療・予防する方法を解説しています。

頭皮アトピーにお悩みの方、「もしかして頭皮アトピーかも?」と心配の方は、ぜひこの記事を最後までお読みください。

頭皮アトピーの症状

頭皮アトピーの主な症状として、頭皮のかゆみや赤み、フケがあらわれます。

頭皮は頭髪に覆われており体部よりも皮膚の状態が分かりづらく、頭皮に炎症があっても見た目から簡単には確認できません。

アトピー性皮膚炎は全身性の症状なので、頭皮だけでなく手足や胴体に皮膚の赤み、かゆみが生じることもあります。

アトピー性皮膚炎の診断基準は次の通りです(※1)。

  1. かゆみがある
  2. 皮膚の赤みや肥厚など、特徴的な皮膚症状が左右対称に見られる
  3. 慢性的に、または繰り返し症状があらわれる(乳児では 2ヵ月以上,その他では 6 ヵ月以上を慢性とする)

一般的なアトピー性皮膚炎については、こちらの記事を参考にしてください。

内部リンク:アトピー性皮膚炎とは?症状や原因、治療法について解説

(※1 参考)アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2024|日本皮膚科学会

頭皮アトピーの原因

頭皮アトピーの原因として代表的なものをまとめました。

  • 頭皮の乾燥
  • シャンプーやリンスによる頭皮への刺激
  • 花粉やハウスダストに対するアレルギー

一般的なアトピー性皮膚炎と同じく、アレルギーなどの体質や皮膚の乾燥、バリア機能低下が挙げられます。

シャンプーやリンスには界面活性剤が含まれており、洗いすぎやすすぎ残しにより頭皮アトピーが悪化する可能性があります(※1)。

頭皮アトピーを治すには、原因物質の除去と頭皮の保湿が大切です。

(※1 参考)アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2024|日本皮膚科学会

頭皮アトピーの治し方

頭皮アトピーの治し方を3つ紹介します。

  • ステロイド外用薬を使う
  • 保湿剤で乾燥を防ぐ
  • 低刺激のシャンプーを使う

ステロイド外用薬を使う

アトピー性皮膚炎の炎症を抑えるには、ステロイド外用薬が有効です。

ステロイド外用薬の多くは軟膏剤、クリーム剤です。頭皮は体部より薬を塗りにくいため、頭皮アトピーにはローション製剤を選ぶと使いやすいでしょう。

頭皮に使いやすいステロイド外用薬として、頭皮で泡立てて使うコムクロシャンプーがあります。コムクロシャンプーを使うには医師の処方箋が必要のため、使用を希望される方は医療機関を受診しましょう。

ステロイド外用薬は市販薬でも購入できますが、まずは医療機関で症状に合った薬を処方してもらうと安心です。

また、頭皮の症状がアトピーではなくカビなど他の原因によるものだった場合、ステロイド外用薬では効果がない場合があります。市販薬を使っていても症状が改善しない場合、自己判断せず医療機関を受診しましょう。

保湿剤で乾燥を防ぐ

頭皮が乾燥していると皮膚のバリア機能が低下し、頭皮アトピーが悪化する原因になります。保湿剤を使って頭皮の乾燥を防ぎましょう。

頭皮は毛髪に覆われており直接塗布するのは難しいため、顔、体用とは別に保湿剤を購入することをおすすめします。

頭皮用の保湿剤にはローションやスプレー、トリートメントがあります。使い方、使用感によって自分に合った保湿剤を使いましょう。

低刺激のシャンプーを使う

シャンプーに含まれている化学物質が接触アレルギーを起こし、頭皮アトピーを発症している場合もあります(※1)

。頭皮アトピーの症状が出ている間は低刺激のシャンプーを使用しましょう。

また、シャンプーやリンスのすすぎ残しも頭皮に負担がかかります。頭皮を洗う時は十分なお湯ですすぎ、頭皮をきれいな状態に保ちましょう。

(※1 参考)アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2024|日本皮膚科学会

頭皮アトピーを予防する方法

頭皮アトピーは治療だけでなく、日頃の予防も大事です。頭皮アトピーを予防するための習慣を3つ解説します。

  • アトピーの原因となる物質を避ける
  • 寝具、寝室を清潔に保つ
  • 頭皮への刺激を避ける

アトピーの原因となる物質を避ける

頭皮アトピーはシャンプー、リンスだけでなく花粉症やハウスダストなどのアレルギーによっても発症します。頭皮アトピーを予防するには、日頃からアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)を避けましょう。

アレルゲンには、主に次のようなものがあります。

  • 食べ物(乳幼児に多い)
  • 花粉、ダニ、ハウスダスト(乳児期以降に多い)
  • 化粧品、金属との接触アレルギー

アレルゲンを特定するには、医療機関で血液検査やパッチテストを受ける必要があります。

寝具、寝室を清潔に保つ

シーツや布団にはダニやハウスダストが溜まりやすく、吸い込むとアレルギーの原因になります。

シーツや布団はこまめに洗濯し、寝室は定期的に換気・掃除をしてアレルゲンの蓄積を防ぎましょう。ダニを防ぐには洗濯だけでなく、抗ダニシーツを使用する方法もあります。

また、花粉の季節には特に注意が必要です。花粉アレルギーもアトピー性皮膚炎を起こす原因の1つとして知られています。外から持ち込んだ花粉を寝室に溜めないよう、特に花粉が多く飛散する時期はこまめに部屋を掃除しましょう。

頭皮への刺激を避ける

頭皮をかきむしるとバリア機能が低下して頭皮アトピーが悪化する可能性があります。頭皮がかゆくてもかきむしらず、ステロイド外用薬や保湿剤を塗って余計な刺激を与えないようにしましょう。

また、太陽光が過度に頭皮へ当たると熱により皮膚の赤み、かゆみが強くなる場合があります。

日差しが強い時期に外出する場合は、帽子や日傘で頭皮を日焼けから守りましょう。

頭皮アトピーと似ている病気

頭皮アトピーの他にも、頭皮のかゆみやフケなどの症状を起こす病気は複数あります。

似ている病気の例をまとめました。

病気特徴
脂漏性皮膚炎皮膚の赤みやフケが生じる皮膚にいる真菌が原因
接触皮膚炎外用薬や化粧品に含まれる物質により、湿疹が生じるいわゆる「かぶれ」
乾癬頭皮を含め、全身に赤みや鱗屑(角質が剥がれ落ちる状態)がみられる頭やひじ、ひざに起こりやすい

病気によって必要な治療は異なります。例えば脂漏性皮膚炎の場合、ステロイド外用薬だけでなく抗真菌薬を使用します。

治療法を間違えると症状は改善しないため、頭皮アトピーが疑われる場合でもまずは医療機関を受診しましょう。頭皮アトピーだと思っていたら異なる病気の可能性もあります。

頭皮アトピーと他の病気を自己判断で区別するのは難しく、診断には医師の診察や検査が必要です。

頭皮アトピーでお悩みの方は、まず医療機関を受診しましょう

今回は頭皮アトピーの原因や症状、治療や予防の方法について解説しました。

頭皮は外用薬や保湿剤を使いにくい場所なので、治療には工夫が必要です。

頭皮アトピーと似た病気と鑑別するためにも、頭皮の症状でお悩みの場合は一度皮膚科を受診すると安心です。

ふくろうの森クリニックでは耳鼻咽喉科・内科・皮膚科の診療を受け付けています。頭皮アトピーの治療も受け付けています。

当クリニックは花小金井駅より徒歩5分の場所にあり、ネット予約も可能です。

「最近頭皮のかゆみやフケが気になる…」

「もしかしたら頭皮アトピーかもしれない」

このような方は一人で悩まず、ぜひ一度当院へご相談ください。

医師が患部を診察して、患者様一人ひとりに合った治療を提案いたします。

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