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ふくろうの森クリニック
院長 山田正人

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2025.04.09

皮膚のかゆみと湿疹に悩んでいる方へ。
その症状はもしかしたら、アトピー性皮膚炎かもしれません。

アトピー性皮膚炎とは皮膚の乾燥とバリア機能の低下により起こる疾患です。治療には主に保湿剤とステロイド外用薬が使われます。

この記事ではアトピー性皮膚炎の症状や原因、治療法について解説しています。
「もしかしてアトピーかも?」と思った方は、ぜひ最後までお読みください。

アトピー性皮膚炎とは?皮膚のバリア機能が低下する病気

アトピー性皮膚炎とは、強いかゆみを伴う湿疹を慢性的に繰り返す病気です。皮膚の乾燥とバリア機能の低下によりアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)が体内へ侵入し、アレルギー反応を起こすことで発症します。

乾燥しやすい冬や、汗をかきやすい夏に悪化しやすい傾向があります。

治療は対症療法が中心です。日頃から保湿剤で乾燥対策を行うほか、外用薬や抗アレルギー薬で湿疹やかゆみを抑えます。

アトピー性皮膚炎の診断基準は次の通りです(※1)。

  1. かゆみがある
  2. 皮膚の赤みや肥厚など、特徴的な皮膚症状が左右対称に見られる
  3. 慢性的に、または繰り返し症状があらわれる(乳児では 2ヵ月以上,その他では 6 ヵ月以上を慢性とする)

似たような病気と鑑別するために、医師の診断が必要です。
また、患部や症状によって適切な治療は異なります。

「アトピーかも」と思っても自己判断せず、まずは医師に相談しましょう。

(※1 参考)アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2024|日本皮膚科学会

アトピー性皮膚炎になりやすい人

アトピー性皮膚炎は遺伝的な要因に、アレルギーなどの環境要因が加わって発症します。

次に当てはまる人は、アトピー性皮膚炎になりやすい傾向があります。

  • 家族にアトピー性皮膚炎の患者さんがいる人
  • 気管支喘息やアレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患を持っている人
  • 過去にアトピー性皮膚炎を発症したことがある人

アトピー性皮膚炎の症状

アトピー性皮膚炎の症状は年齢とともに変化しますが、かゆみ、左右対称に湿疹が起きる点は共通しています。

症状が起こりやすい部位、皮膚の状態を年代別にまとめました。

時期乳児期幼小児期思春期・成人期
症状が起こりやすい部位頭・顔しばしば体幹・手足頸部・手足の折れ曲がる部分顔・頸部・胸・背中・手足の折れ曲がる部分
皮膚の状態顔や頭部に始まり、体幹に広がる皮膚はじゅくじゅくする傾向皮膚全体が乾燥掻いた跡が残り、皮膚が硬く厚くなる皮膚全体が乾燥頸部~上胸部にかけて色素沈着が見られる

アトピー性皮膚炎の原因

アトピー性皮膚炎は遺伝や環境など、複数の要因が重なって発症します。主な原因をまとめました。

遺伝的な要因アトピー素因
環境的な要因アレルゲン食べ物(乳幼児に多い)ダニ、ハウスダスト(乳児期以降に多い)化粧品、金属との接触アレルギー
アレルゲン以外の刺激乾燥による皮膚のバリア機能低下熱や汗ウールなど、衣服の繊維ストレス

アトピー性皮膚炎の治療

アトピー性皮膚炎は根本的な治療が難しく、良くなったり(寛解)悪くなったり(増悪)を繰り返します。よって治療では、対症療法により症状のコントロールを目指します。

アトピー性皮膚炎の基本的な治療をまとめました。

  • ステロイド外用薬、タクロリムス軟膏
  • 保湿剤によるスキンケア
  • 抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬

このほか、改善が見られない場合は免疫抑制剤や経口ステロイド薬、注射薬を使うことがあります。

治療薬についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

関連記事:アトピー性皮膚炎の治療薬にはどんなものがある?

ステロイド外用薬、タクロリムス軟膏

アトピー性皮膚炎では、皮膚に炎症が起こります。炎症に対してステロイド外用薬やタクロリムス軟膏が使われます。

ステロイド外用薬は、治療の基本となる薬です。強さがweak~strongestの5種類あり、部位や炎症の程度によって使い分けられます。強さを調節するために、保湿剤と混ぜて使うこともあります。

医師は診察により適切な強さの薬を処方しているので、ステロイド外用薬が処方されたら必ず指示通りに使いましょう。

ステロイド外用薬が使えない顔面や、副作用によりステロイドの使用が難しいケースにはタクロリムス軟膏が使われます。

タクロリムス軟膏は免疫を抑え、炎症を改善する薬です。

保湿剤によるスキンケア

アトピー性皮膚炎は皮膚が乾燥していると悪化します。よってアトピー性皮膚炎では症状にかかわらず、日頃から保湿剤によるスキンケアが大切です。

特に入浴後は乾燥しやすいため、欠かさず保湿剤を塗りましょう。冬は乾燥しやすいため、こまめに塗ると症状の悪化を防げます。

医薬品の保湿剤には次のようなものがあります。

  • ヘパリン類似物質
  • 尿素製剤
  • ワセリン
  • 亜鉛化軟膏

保湿剤は処方薬のほか、市販薬でも購入できます。

保湿剤は軟膏、クリームのほか、べたつかないローションタイプもあります。刺激が少なく使い心地が良いものを選びましょう。

抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬

外用薬だけではかゆみをコントロールできない場合やかゆみがひどい場合、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬の内服薬を使用します。

皮膚のかゆみはアレルギー反応によって起こります。抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬は、アレルギー反応で発生する化学物質を抑制してかゆみを抑える薬です。

かゆみを抑える一方、薬によっては眠気を感じることがあるので注意しましょう。

アトピー性皮膚炎かも?と思ったらふくろうの森クリニックへ

今回はアトピー性皮膚炎の原因や症状、治療や予防の方法について解説しました。

アトピー性皮膚炎は慢性的な病気なので、根気よく治療・管理を続ける必要があります。
保湿やステロイド外用薬を適切に使用して、長期的に症状のコントロールを行うことが大切です。

ふくろうの森クリニックでは耳鼻咽喉科・内科・皮膚科の診療を受け付けています。アトピー性皮膚炎の治療にも対応しております。

当クリニックは花小金井駅より徒歩5分の場所にあり、ネット予約も可能です。

「皮膚のかゆみがひどく、アトピー性皮膚炎かもしれない」

「子どもが皮膚を搔きむしってしまう」

このような方はぜひ、一度当院へご相談ください。
皮膚の状態や部位に合わせて、医師が適切な薬を処方します。

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